リデンシルの発毛効果とは?研究データとともに解説

リデンシルの発毛効果とは?研究データとともに解説

多くの育毛剤でも配合されている注目成分「リデンシル」
“ミノキシジルの効果の2倍!”など、魅力的な広告フレーズで宣伝している育毛剤も数多く発売されています。
そこで今回はリデンシルの成分の効果を論文と共に解説していきたいと思います。

リデンシルの主成分

リデンシルは、複数の成分を組み合わせて作られた成分で、セイヨウアカマツ球果エキス(DHQG)・チャ葉エキス(EGCG2)・グリシン・ピロ亜硫酸Na・塩化亜鉛から構成されています。
その中でも特に重要な要素を担っているのが、「DHQG」、「ESCG2」と呼ばれるものです。
DHQGは、正式には「ジヒドロケルセチングルコシド」と呼ばれているポリフェノールの1種です。DHQGはジボダン社で開発され、原料はセイヨウアカマツという植物から抽出したエキスになります。
また、ESCG2は、茶葉エキス由来で正式名は「没食子酸エピガロカテキングルコシド」と呼びます。主な効果は炎症に対してですが、他にも消臭などに期待ができます。

リデンシルの発毛効果

頭皮にはおよそ11万個の毛包があると言われており、この毛包で、髪が誕生し→成長し→やがて成長が衰え→完全に成長をやめて→やがてまた新しい髪の毛が誕生する…というヘアサイクルをグルグルと繰り返しています。
このヘアサイクルが乱れてしまうと、抜け毛が多くなっていき薄毛の症状が現れてきます。
リデンシルには以下の2つの効果があり、抜け毛を抑制し、髪の毛の成長を促進すると考えられています。

① 毛根近くに存在するバルジ領域を活性化させることで幹細胞に働きかけ、髪の毛を生成する毛母細胞を増殖させる

② 毛乳頭内に存在する繊維芽細胞を活性化させることでコラーゲンやエラスチンの生成を促進させる

③ 炎症性サイトカイン「IL-8」を抑制することで頭皮の炎症を抑える

それぞれの作用について詳しく解説していきます

① 幹細胞に働きかけて、毛母細胞を増殖させる

幹細胞とは、同じ幹細胞に分裂することも出来るし、他の細胞にも分化できる細胞のことです。例えば、皮膚の幹細胞は皮膚幹細胞を増殖させることも出来るし、細胞自体が皮膚細胞を作ることもできます。
髪の毛にも同様に、元となる幹細胞があるということが分かっています。
髪の毛の元となる幹細胞は、毛包近くにある「バルジ領域」という場所に存在しています。
このバルジ領域がリデンシルによって活性化されて、髪の毛を生成する毛母細胞が増えることで育毛が促されるというメカニズムです。

リデンシルに含まれるDHQGは、毛包幹細胞の分化特性を維持しつつ、分裂を活性化させる効果があります。さらに、DHQGには幹細胞を細胞自滅から保護する効果もあります。

② 繊維芽細胞を活性化させる

細胞と細胞の間は不溶性物質である「細胞外マトリックス」というもので埋め尽くされています。この細胞外マトリックスが充実することで細胞が安定した生存環境を得ているのです。
また、細胞外マトリックスは細胞を支えるという効果だけでなく、細胞の増殖や分化、形質発現の制御にも重要な役割を果たしています。
つまり、細胞外マトリックスが充実することで髪の毛を育む土台が安定するということです。
この細胞外マトリックスはコラーゲンやエラスチンといったタンパク質を主成分としており、主に毛乳頭にある繊維芽細胞で生成されます。

まとめると、リデンシルに含まれるDHQGが毛乳頭に存在する繊維芽細胞を活性化させることで、コラーゲンやエラスチンなどのタンパク質が活発に生成し、細胞外マトリックスが充実することで、細胞を安定させ健康な髪の毛が生える土台をつくるちうわけです。

③ 炎症性サイトカイン(IL-8)を抑制する

リデンシルにはESCG2が配合されていますが、このESCG2には炎症性サイトカインである「IL-8(インターロイキン8)」を抑制する働きがあります。
つまり、頭皮の炎症を抑制することができるということです。
また、IL-8には抗酸化作用もあり、活性酸素による細胞のダメージを軽減させる働きもあります。

リデンシルに関する研究結果

リデンシルに関する実験結果を解説していきます。

リデンシルによる薄毛改善の画像

リデンシルを用いて薄毛が改善した被験者の頭頂部の画像

リデンシルを用いて薄毛が改善した被験者の頭頂部の画像

リデンシルを3ヶ月使用した3人の被験者による薄毛状態改善の画像です。
写真からも一目瞭然ですが、3人とも髪の密度が増加していることが分かります。
この画像を見ると、リデンシルの効果を期待できそうに感じます。

7日と10日後、髪の毛がどれくらい生えたかというデータがあります。

試験管におけるミノキシジルとリデンシルの髪の毛の成長変化のグラフ
左→未処理
中央→ミノキシジル(10日後には+118%)
右→リデンシル(10日後には+214%)

これは、リデンシル1%、ミノキシジル1%、何も塗布しないの3つに分け、7日後、10日後の髪の成長(μm)の変化をグラフにしています。
この結果からリデンシルを用いた場合とミノキシジルを同じ濃度で用いた場合、リデンシルにはミノキシジルのおよそ2倍の成長効果あると示しています。

ただし、この実験結果において注意しておかなければならないことが1点あります。
それはこの実験は培養細胞を用いて、試験管内での行われたという点です。
つまりAGAの原因であるジヒドロテストステロンやアンドロゲンレセプターの感受性などの要素が絡まない実験結果に過ぎないということです。

では、人間の頭皮を用いた発毛データはないのか?という疑問が起こります。

リデンシルの効果について人体を用いて実験したデータ

リデンシルとプラセボとの人体を用いた髪の毛の変化の比較

リデンシルの効果について、人体を使って比較した実験データになります。

人間の頭皮で行われた実験で間違いはなく、一見するとリデンシルには十分な効果があるのでは…と思いますが、ここでリデンシルとの比較対象になっているのはプラセボ(偽薬)になっています。
先程までは対ミノキシジルの実験データであったのにもかかわらず、人体実験ではなぜかプラセボ(偽薬)との比較結果になっています。

なぜ人体実験においてミノキジルとリデンシルを比較しなかったのかについて一考察

なぜ人体実験において、リデンシルとミノキシジルを比較しなかったのか?
あくまで推測になりますが、その1つに人体実験した場合ミノキシジルの方が発毛効果が高かったからなのでは?と考えられます。
もしリデンシルに発毛効果があり、その効果を明確にするのであれば人体実験でミノキシジルと比較したデータを発表してもいいはずです。
むしろその方がより説得力のあるデータになります。
その点を踏まえると発毛効果においてはミノキシジルの方に軍配が上がると考えられます。

リデンシルの副作用について

リデンシルにはイヨウアカマツ球果エキス(DHQG)・チャ葉エキス(EGCG2)・グリシン・ピロ亜硫酸Na・塩化亜鉛から構成されており、副作用の心配なないとされています。
実際、化粧品に分類される育毛剤に配合されているものも販売されています。

まとめ

リデンシルという発毛成分の効果について解説いたしました。
リデンシルには、① 髪の毛を生成する毛母細胞を増殖する、② コラーゲンやエラスチンの生成を促進し細胞外マトリックスを充実させて細胞を安定させる、③ 炎症性サイトカイン(IL-8)を抑制する効果があることで発毛が期待できるとされています。
ただ、研究データの結果から考察すると、確実に発毛を期待できる成分とは言い切れなそうです。
「ミノキシジルの2倍の発毛効果!」など過剰広告の商品もあるので、すべてを鵜呑みにして信じるのは少々危険かもしれません。
折角高いお金を出して薄毛対策をするのですから、このようなデータも商品選びの検討材料にしてみて下さい。

本記事の寄稿者情報

鈴木亮輔
31歳独身。趣味はPCの自作と猫カフェ巡り。新宿のIT会社に勤務するサラリーマンです。20代中盤から徐々に抜け毛が増えて薄毛(M字部分)になり始め、長年に渡り自身で育毛剤を自作するなどの抜け毛や薄毛の改善方法を模索した実体験や、AGAクリニックの通院体験を活かして記事の執筆をしています。薄毛に悩む人は一人でも減ることを祈って、薄毛や育毛対策に有効となる情報を発信をしていきます。
Return Top