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ピディオキシジルって一体何?効果や特徴について考察

ピディオキシジルって一体何?効果や特徴について考察

ピディオキシジルは育毛剤にも配合されている成分です。
育毛剤に使用される成分の中には“ミノキシジル”や“キャピキシル”など、“○○ジル(シル)”の似た名前が多くて混乱しがちだと思います。
ミノキシジルとキャピキシルに関しては以前解説しましたので、今回はピディオキシジルについて解説していきたいと思います。

ピディオキシジルの正体

正式な成分名はピロリジニルジアミノピリミジンオキシドと呼ばれ、さらにIUPAC命名法に基づいた化学名は「6-pyrrolidino2,4-diaminopyrimidine3-oxide」になります。
ピディオキシジルは別名「ミノキシジル誘導体」とも呼ばれている成分です。
では何故ピディオキシジルはそう呼ばれているのか。
それは、ピディオキシジルはミノキシジルと分子構造が極めて似ているためミノキシジルと同等の効果があるのではと考えられているからです。

ミノキシジルとピディオキシジルの構造式

左がピディオキシジル、右がミノキシジルの構造式になります。
式を見ると下の5角形か、もしくは6角形かの違いのみで、ミノキシジルの構造と非常によく似ていることが分かります。
その為、ピディオキシジルが配合されている育毛剤では、“ミノキシジルと同様の効果をもたらし、かつミノキシジルのような副作用はない”などと、うたっている商品もあるのです。

ピディオキシジルの育毛効果について

ピディオキシジルは、ミノキシジルと同様の効果が見込める成分です。

  • 髪の毛のヘアサイクルを成長期へと移行させる効果
  • 髪の毛のヘアサイクルの成長期を延長させる効果
  • 毛包を大きくする効果

ピディオキシジルの作用機序に関しては、正式に解明されておらず確かなことは言えませんが以下のような作用が提唱されています。

  • カリウムイオンチャンネルを開き休止期の毛包を成長期へと移行させる。
    または成長期を延長させる
  • 血管を拡張し毛根により多くの栄養と酸素を供給することで毛包を育てる
  • 毛髪を強くするとともに頭皮に髪を繋ぎとめる

ピディオキシジルの副作用について

ピディオキシジルを配合した育毛剤の中には、“副作用がなく、ミノキシジルと同様の効果を発揮し、副作用はない”とうたっている商品もありますが、本当にピディオキシジルには副作用はないのでしょうか?
結論から先にお伝えすると、ピディオキシジルに副作用がないとする根拠のデータを見当たらないため、副作用が全くないと断定することは出来ません。
ただ、ピディオキシジルはミノキシジルとは違い医薬品成分ではないので、副作用が起こりにくいと考えられます。

<>ピディオキシジルは頭皮への浸透力が高いのか
ピディオキシジルの効果として副作用がないということ以外に、もう1つ効果がうたわれているものがあります。
それは、頭皮への浸透性が高いということです。
この点について考察していきたいと思います。

まず、成分の浸透性と関係している要因には、

  • 脂溶性
  • 分子の大きさ

の2つが挙げられます。

脂溶性について

頭皮も他の皮膚と同様に1番外側は角質層という層が存在しています。
この角質層は、水溶性の成分は基本的に通しません。
つまり、脂溶性が高い成分の方が角質層の奥まで行き届きやすくなります。
その他にも脂溶性が高いと角質層を通してだけでなく、毛穴の皮脂腺からも吸収されやすくなります。
ミノキシジルはピディオキシジルと比較して炭素原子を1つ多く持つため、脂溶性が高くなります。その点ではミノキシジルの方が吸収されやすいと考えることができます。

分子の大きさ

分子は大きいものよりも小さいものの黄河通過しやすく、浸透性が高いと判断することが出来ます。
ピディオキシジルはミノキシジルよりも炭素原子1つと水素原子2つ減っている構造なので、わずかながらピディオキシジルの方が小さくなり浸透力は高いと考えることが出来ます。

脂溶性と分子の大きさについて比較し、総合的に考察してみると原理上ミノキシジルとピディオキシジルのどちらが浸透力が高いかということに関しては判断できないと言えます。
理由は脂溶性と分子サイズのどちらの効果の方が大きいかわからないからです。
浸透性に関するデータもなく判断しがたいと言えます。

ピディオキシジルに関する生体外実験の結果

Kumar Organic Products Ltd

ピディオキシジルの生体外(In vitoro)での実験結果がありますのでご紹介していきたいと思います。
実験では、NH3T3細胞という線維芽細胞を用いた実験をしています。
線維芽細胞とは、コラーゲンやエラスチンといった真皮を構成する成分を作りだし結合組織を構成する細胞のことです。
この繊維芽細胞の働きによって毛髪を支える頭皮をしっかりしたものにすることが出来ます。

この実験ではNH3T3細胞の増殖を阻害するTolbutamideという成分と同時にミノキシジル・ピディオキシジルを加えています。
これによって、Tolbutamideによる細胞増殖阻害をどれだけ抑制できるかを評価しています。

ピディオキシジルの生体外(In vitoro)での実験結果

左図の左がミノキシジルの結果、左図の右がピディオキシジルの実験結果になります。
この結果からピディオキシジルはミノキシジルと同様の効果を発揮し、細胞増殖阻害を最大濃度時で58.7%に抑制するということが分かりました。

ピディオキシジルに関する生体内実験の結果

ピディオキシジルを使った生体内(In vivo)の実験結果についての実験データを解説致します。
右のグラフの一番上に記載されているVenicleはミノキシジルやピディオキシジルを溶かすのに用いた溶媒のみを塗った結果になります。

ピディオキシジルの生体外(In vitoro)での実験結果

右グラフの一番左が「Venicle(薬剤なし)」、真ん中のMNXがミノキシジル、一番右のTADがピディオキシジルになります。
縦軸はGrow Hair Wt(mg)と記載されいるので、成長した体毛の重さの数値になります。

このグラフを見ると、明らかにミノキシジルとピディオキシジルを塗布した方が毛の重量が重くなった、すなわち成長期の体毛が多かったと言えます。

この結果から、ミノキシジルと同じくらいの効果はあると推測することができます。
ただし、この実験結果はマウスに対して行ったものの結果であり、人に対してのデータではありません。

まとめ

実験結果から考察すると、ピディオキシジルにはミノキシジルと同等の効果が期待できる成分と言えます。
ただし、広告などで謳われている、“副作用がない”という点と“浸透力がミノキシジルよりも高い”という点に関する実験データはなく、正式なエビデンスに基づく効果は現状不明確と考えられます。
この事から、ミノキシジルよりも副作用が少なく浸透性が高いので効果が高い!という広告文句をだして販売している商品に関してはいささか誇張表現とも感じざるおえません。
育毛剤を選ぶ上で、あまりにも効果が期待できるような広告文句を使っている商品を選ぶ際は、よく吟味すべきだと言えます。

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