AGAだけじゃない!男性の薄毛や抜け毛の種類やその原因と判別方法を解説

AGAだけじゃない!男性の薄毛や抜け毛の種類やその原因と判別方法を解説

ざっくり要約3ポイント

1:薄毛にはメンタルと肉体の両方に起因する症状がある。
2:男性にはAGAだけでなく5種類の薄毛になる原因が存在。
3:薄毛の原因ごとに治療や対策方法が異なるので原因の判別が重要。

最近ではAGAクリニックのCMや広告が増えたことで、薄毛の症状の1つとしてAGA(男性型脱毛症)という言葉の世間の認知度が高くなってきました。しかし、一方で「全ての薄毛=AGA(男性型脱毛症)」と誤解を生む結果にも繋がっていることも事実であり、薄毛に悩む男性にとって、この誤解が非常に重要な問題につながる可能性があります。なぜなら、薄毛の様々な種類や原因、症状によりその改善方法は大きく異なるからです。

風邪の時に胃薬を飲んでも症状は改善されませんよね?風邪の時には風邪薬を飲む必要があります。
薄毛の治療でも全く同じことが言えます。原因に対して適切な治療が必要です。

なお、薄毛の症状の進行が早く、治療や改善を本気で考えるのであれば、まず皮膚科やAGAのクリニックで医師の診察を受けることをオススメ致します。医師の適切な診察があれば薄毛の原因とその対処法を間違うことは、基本的には無いからです。

しかしながら、まだそこまで薄毛の進行が進んでおらず、薄毛の初期症状で病院に行くまでではないと考えている男性は注意が必要です。なぜなら、薄毛の原因や種類が不明なまま「育毛剤を使ってみよう」「とりあえずスカルプシャンプーを試そう」としてしまうからです。このページでは病院で医師の診察を仰ぐまではいかないけれど、自分の薄毛の種類や症状も未だ把握しきれていない男性に見て頂きたいページです。

男性の薄毛はAGAだけではありません。様々な薄毛や抜け毛の種類やその原因と見分け方を解説していきますので、自分の症状に合わせた対策をしっかりと講じてください。

ホルモン?メンタル?男性の5つの薄毛の原因と症状

薄毛の原因にも大きく分けて2種類が存在します。1つは「メンタルヘルス」と言われる精神の健康状態によっても薄毛や脱毛症を引き起こされます。もう1つはAGAといった「体の中の仕組みやホルモンバランス」によって薄毛や脱毛症が引き起こされるもの、またその2つが複合的に重なり合って薄毛の症状を発症するケースがあり、男性の薄毛の症状は大きく分けて5種類あるとされています。(女性の薄毛の原因とは異なる)それぞれの薄毛の症状や特徴、原因や見極め方、そして治療や改善方法などを紹介していきたいと思います。何れにしても、自分の原因がはっきりと解明することで正しい薄毛の治療法、改善方法の選択肢を選ぶことが出来ます。

【1】円形脱毛症

特徴及び症状

円形脱毛症とは事前の兆候がなく、突然頭部に円形や楕円形の脱毛斑が生じる疾患です。また、円形脱毛症にも様々な種類があり、1つだけ脱毛箇所ができる単発型、複数できる多発型、生え際に沿ってできる蛇行型、頭髪全体に及び全頭型など様々な種類があります。また重度になると頭部だけでなく体毛にまで及ぶものなど、その症状は多岐にわたります。なお、円形脱毛症は男性よりも女性に比較的多く発症する症状です。

原因

体の免疫が髪の毛の毛根組織を敵とみなし、攻撃して脱毛してしまう免疫機能の異常の「自己免疫疾患」が原因として有力ですが、未だ確実な原因というのは現代医学でも分かっていません。また、精神的ストレスによる原因やアトピー性疾患を持っている人の発症率が高いのも特徴敵です。近年では遺伝的要素も研究されており、中国では円形脱毛症患者の約8.4%に、同じ病気を抱えている家族がいると報告されています。

症状の判別方法

一か所に集中して脱毛する為、比較的簡単に見極められます。なお、突然髪が抜ける症状である為、パニックや不安に駆られない様にしてください。

改善及び治療方法

健康保険による治療が受けられますので、近所の総合病院や皮膚科専門の病院で診察を受けることをおススメします。また、市販の育毛剤やサプリやシャンプーなどは基本的に効果的なものは無いので、医師の指示を仰いだうえでしっかりとお薬を使った治療に専念しましょう。

なお、日本皮膚科学会により円形脱毛症の治療方法の方針である「日本皮膚科学会円形脱毛症診療ガイドライン」が策定されていますので、エビデンスレベルで細かい治療方法の推奨度合も把握することが出来ます。詳しくは下記ページで紹介していますので、参考にしてみてください。

【2】加齢による脱毛

特徴及び症状

加齢に伴いヘアサイクル(毛周期)の生え代わりがストップして徐々に髪が薄くなります。また50代以降に自覚症状が現れる方が多く、年齢が徐々に年をとるように、髪の毛も全体的に少しづつ薄くなり始めます。また、毛母細胞の老いに伴い髪のコシやハリ、

原因

年齢を重ねることにより、体の衰えだけでなく頭皮の細胞も年をとり衰えます。髪の毛もヘアサイクル(毛周期)という髪の毛が生え変わる周期とその回数の上限が決まっており、その生え変わる回数の上限を迎えることで、それ以降は髪の毛が生えてこなくなります。

症状の判別方法

頭の特定部位に限らず全体的に髪が薄くなっていきます。薄毛が進行するスピードも緩やかに進行していきます。いわゆる年相応の髪の薄くなり方といえます。

改善及び治療方法

若返りの薬が無いように、加齢による脱毛を治療する薬はありません。ケースによっては内服薬であるフィナステリドで薄毛の進行を遅らせることも可能ではありますが、フィナステリドに関わらずこの年齢での服薬には体は負担がかかります。しかしながら、歳を重ねるごとに髪の毛に対しての価値観は変化していくので、どうしても治療を必要とする場合には必ず近所の総合病院や皮膚科専門の病院で一度相談をすることをおススメします。

【3】抜毛癖(トリコチロマニア)

特徴及び症状

髪の毛を無意識に抜いてしまう症状が有名ですが、本人が自覚をしてるケースもあります。髪の毛に限らず、まつ毛、眉毛、ひげ、脇の毛、陰毛、手、足などの体毛を自分で引き抜いてしまいます。大人にも発症しますが、小学生、幼稚園児などの子供に現れるケースが多いです。また、自分で髪の毛を引き抜く為、手の届く範囲や、利き手側に抜毛の症状が多く現れます。

原因

抜毛癖(ばつもうへき)とも呼ばれ、欲求不満や精神的ストレスなど何かしらの精神的な問題で発症する行為障害です。また、皮膚をかきむしってしまう「皮膚むしり症」と併発するケースが多くみられます。

見極め方

大きく分けて意識的に癖として髪を抜いてしまい、どうしても辞められないパターンは見極め可能です。しかし、ケースによっては無意識に髪を抜いてしまいそのまま飲み込んでしまうケースもあるため、その可能性がある場合には近親者に注意深く見守ってもらうのが良いでしょう。また、髪を力づくで抜いてしまうので抜毛部分の髪毛の先端は折れたようになります。

改善及び治療方法

精神内科でカウンセリングを受ける事をお勧めします。突発的な高いストレスで一時的な症状として抜毛症になる場合がありますが、数か月に及び症状が確認できるのであれば、早めに精神内科に足を運ぶと良いでしょう。

【4】脂漏性皮膚炎による脱毛

特徴及び症状

初期には頭皮の赤み、フケ、かゆみなどが症状として現れ、徐々に悪化すると頭皮が膿んで出血したり、かさぶたが出来るケースがあります。

原因

脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)により頭皮に炎症が起きて、脱毛が進行します。脂漏性皮膚炎の原因はマセラチア菌という、誰の頭皮の毛穴にも存在している皮脂を餌とする常在菌ですが、皮脂分泌が盛んな人の場合、マセラチア菌が異常増殖し分解した中性脂肪が頭皮を刺激して炎症を起こします。なお、インターネットで「脂漏性脱毛症」という言葉がありますが、これは正式な病名ではない造語なのであたかも病名の様に紹介しているサイトには注意しましょう。脂漏性皮膚炎による脱毛が正確な症状の名前です。

見極め方

頭皮がべた付き、髪の毛自体にも脂っぽさが顕著に表れます。その為、直毛の場合は髪のボリュームも出ずらい傾向にあります。

改善及び治療方法

治療方法は確立されており、総合病院や皮膚科で「ステロイド」や「ケトコナゾール」などの薬を処方してもらって症状を改善しましょう。

なお、素人判断でスカルプシャンプーや育毛剤を使うと症状を悪化させる可能性があるので、脂漏性皮膚炎の疑いがあるかも?と思ったらまず医師に相談してください。

【5】AGA(男性型脱毛症)

特徴及び症状

男性の90%以上の薄毛の原因がこのAGA(男性型脱毛症)と言われており、「頭頂部」と「生え際(M字)」の何れか、もしくは両方から髪が徐々に薄くなります。その為、後頭部や側頭部の髪の毛のボリュームは減る事はありません。頭部の限定的な場所からの脱毛がある為、特徴や症状が掴みやすいです。下記のページではAGA症状や仕組みと原因を詳しく解説していますので参考にしてください。

原因

睾丸や副腎で作られ、男性の特徴である筋肉や骨格の形成を促す男性ホルモン(テストステロン)が、5αリダクターゼと結合するとジヒドロテストステロンという物質になります。それが、毛根に指令を出して毛周期(ヘアサイクル)を短くすることで、抜け毛が増え、髪の生え代わりを早く終わらせて髪が生えない状態にしてしまいます。

見極め方

徐々に抜け毛が増えて、「頭頂部」と「生え際(M字)」が徐々に薄くなってきたらAGA(男性型脱毛症)である可能性があります。逆に後頭部や側頭部の髪の量に変化が無いのであれば、他の要因である可能性があります。

改善及び治療方法

皮膚科やAGA治療専門病院でまず診察を受けることをおススメします。なお、AGA治療専門病院に関しては健康保険が適用されないので、治療費は前もって確認をしておきましょう。

なお、日本皮膚科学会により男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインが策定されていますので、エビデンスレベルで細かい治療方法の推奨度合も把握することが出来ます。

まとめ

一言で薄毛といっても様々な症状や原因、改善方法があります。一番いけないのが、髪が薄くなってきた恐怖心にかられて、とりあえず中身も良くわからない育毛剤やスカルプシャンプーを買って、盲目的にセルフケアで薄毛対策を始めてしまうことです。

この場合、効果がないだけではなく、逆効果で薄毛を進行させる場合があるので、まず本気で悩み始めたら総合病院か皮膚科、もしくはAGAの病院などに足を運んだうえで医師に相談をするのが間違いの無い方法です。

なお、自分の判断で個人輸入などで薬を買って治療することは絶対にお勧めしません。厚生労働省でも注意喚起を促しています。

最悪は命に係わる可能性があります。そしてその保証や責任はだれも取ってくれません。重ねてにはなりますが、個人輸入による薄毛の治療はおススメしません。

なお、この薄毛の原因や種類とその特徴や判別方法のページは自分判断で治療して欲しいというのではなく、盲目的に育毛剤やスカルプシャンプーにたよるのではなく、自分で最低限の薄毛の原因をセルフチェックして、その上で最終的には医師と相談して欲しいと思っています。

本記事の寄稿者情報

鈴木亮輔
31歳独身。趣味はPCの自作と猫カフェ巡り。新宿のIT会社に勤務するサラリーマンです。20代中盤から徐々に抜け毛が増えて薄毛(M字部分)になり始め、長年に渡り自身で育毛剤を自作するなどの抜け毛や薄毛の改善方法を模索した実体験や、AGAクリニックの通院体験を活かして記事の執筆をしています。薄毛に悩む人は一人でも減ることを祈って、薄毛や育毛対策に有効となる情報を発信をしていきます。
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