【AGA治療薬まとめ】クリニックで処方されるAGA治療内服薬の効果と副作用とは

【AGA治療薬まとめ】クリニックで処方されるAGA治療内服薬の効果と副作用とは

ざっくり要約3ポイント

1:AGA治療内服薬は3種類あり効果、副作用が異なる。
2:AGA外用薬として発毛効果があるのはミノキシジルの1種類のみ。
3:治療薬にも抜け毛を減らすもの、発毛させるなど目的や役割が異なる。

AGAクリニックや皮膚科などの病院で、AGA治療薬として処方される薬の効果や副作用を紹介していきたいと思います。一般的にはプロペシアが非常に有名ですが、実はAGAの薬は非常にたくさんあります。そんなAGA治療薬の種類と、その効果や副作用を詳しく説明していきます。

AGA治療薬の種類

AGA治療薬を大きく分類すると、2種類の効果がそれぞれ期待できる物があります1つは「抜け毛と抑制してAGAの進行と止める薬」、2つめは髪の成長を促して「発毛を促進する薬」の2種類がありますので、AGA治療薬をチェックする際にどちらの効果があるのかをしっかりチェックしましょう。

■内服薬:プロペシア

5α-還元酵素Ⅱ型阻害薬として、MSD製薬が製造している薬です。フィナステリドと混同しがちですが、正確にはフィナステリドが有効成分で「プロペシア」は商品名です。このMSD製薬は一昨年に爆笑問題が「お医者さんに相談だ!」というキャッチフレーズのAGA治療の啓蒙CMを流していました。2005年10月に厚生労働省にAGA治療薬として承認され、同年12月に発売となった、日本で最も歴史があり、そしてメジャーなAGA治療薬と言っても過言ではありません。なお、有効成分のフィナステリド含量が異なる「プロペシアⓇ錠0.2mg」「プロペシアⓇ錠 1mg」の2種類が販売されています。なお、日本で特許が2015年に切れたことにより、様々なジェネリック品が発売されています。

プロペシアの効果

臨床試験では服用者の一部に発毛効果が認められたとされていますが、基本的には髪の脱毛(抜け毛)を抑制する目的で処方されます。

プロペシアの仕組み

5α還元酵素Ⅱ型とアンドロゲン受容体(レセプター)の結合を阻害することで、ヘアサイクル(毛周期)を正常化します。この事によりに髪が本来の寿命(4年~5年)に戻り、抜け毛を減らし、髪を太くコシのある状態まで成長させることが可能になります。なおAGAの仕組みやメカニズムは下記ページを参考にしてください。

AGA(男性型脱毛症)とは?症状や仕組み原因を解説

プロペシアの副作用

胃部不快感、性欲減退の可能性が一部あるとされています。

国内臨床試験時では、1mgのフィナステリドで胃部不快感、性欲減退など6%程度の副作用が認められたが、この副作用の発現頻度は、プラセボで起こった副作用の頻度と同程度だとの意見がある[3]。特に重篤な副作用は報告されていないとされているが、万有製薬(現:MSD)はプロペシア錠を飲むことによって、頻度不明ながら、肝機能障害が起こり得ると重大な副作用を追加した(2007年9月)。

引用:wikipedia:フィナステリド

ただ、国内で処方されてから10年以上たった現在も処方を受けた患者から厚生労働省に大きな事故の報告はないことから、比較的安全なAGA治療薬といえるでしょう。

プロペシアの飲み方(タイミング)

1日1回、決まった時間に服用します。薬の半減期は成人で約6時間程度とされており、約24時間で体内で代謝され消滅するため、毎日定量を服用する必要があります。

プロペシアの注意点

この薬には妊婦又は妊娠している可能性のある女性の服用は一切認められておりません。また、授乳中の女性の禁止も服用されています。男子胎児の生殖器官等の正常発育に影響を及ぼす新生児奇形の可能性があります。女性の妊娠は直ぐに分かる訳ではないので、原則的に女性は服用だけでなく、触れること自体も避けた方が良いでしょう。

また、肝機能障害など薬の代謝に問題がある場合にも内服が禁じられています。なお、服用中の方の血液の輸血は禁じられている為、献血などはしないようにしましょう。

プロペシアの平均市場価格

健康保険が適用されないため、1ヶ月分(28錠)で平均的7,000円前後で処方を受けることが可能です。1日約250円程度のコストがかかります。

プロペシア(フィナステリド)のジェネリック一覧

インド及び日本でもこのプロペシア及びフィナステリドのジェネリック医薬品が多く発売されています。

プロペシアのジェネリック医薬品(国内)

  • フィナステリド錠 0.2mg「ファイザー」
  • フィナステリド錠 1mg「ファイザー」
  • フィナステリド錠 0.2mg「サワイ」
  • フィナステリド錠 1mg「サワイ」
  • フィナステリド錠 0.2mg「トーワ」
  • フィナステリド錠 0.2mg「クラシエ」
  • フィナステリド錠 0.2mg「クラシエ」
  • フィナステリド錠 1mg「クラシエ」
  • フィナステリド錠 0.2mg「SN」
  • フィナステリド錠 1mg「SN」
  • フィナステリド錠 0.2mg「武田テバ」
  • フィナステリド錠 1mg「武田テバ」
フィナステリドのジェネリック医薬品(海外)

  • フィンペシア
  • フィナロ
  • フィナバルド
  • エフペシア
  • フィナックス
  • フィナロイド
  • ハリフィン
  • フィライド

ワンポイント

日本皮膚科学会の男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインの中でも、最も推奨度の高い[
A]ランクの治療薬とされていることからも最も重要なAGA治療薬といえるでしょう。ただ、基本的に発毛をする薬ではなく、抜け毛を抑制してAGAの進行を留める薬として覚えておきましょう。

■内服薬:ザガーロ

5α-還元酵素Ⅱ型及び5α-還元酵素Ⅰ型阻害薬として、イギリス・ロンドンに本社を置くグラクソ・スミスクライン社が製造している薬です。2015年9月に厚生労働省に承認されたばかりの比較的新しいAGA治療薬で、ソフトカプセルに入った液状の薬です。発売当初は剛力彩芽を起用したCMで話題になりました。有効成分であるディユタステリド含量が異なる「ザガーロⓇカプセル0.1mg」「ザガーロⓇカプセル0.5mg」の2種類が販売されています。

同有効成分で前立腺肥大症向けの治療薬も発売されており、商品名を「アボルブ」といいます。

なお、プロペシア(フィナステリド)との違いは、プロペシア(フィナステリド)は5α-還元酵素Ⅱ型のみを阻害、ザガーロは5α-還元酵素Ⅱ型及び5α-還元酵素Ⅰ型の2つを阻害します。また、グラクソ・スミスクライン社の臨床試験だと、プロペシア(フィナステリド)に比べて効果が高いことが発表されていますが、そもそも、ザガーロの優位性である5α-還元酵素Ⅰ型は全身の皮脂腺に存在しており、AGAとの関係性が未だはっきりしていないため、プロペシア(フィナステリド)とザガーロのどちらがAGA治療薬として効果があるかに関しては、議論が継続的に行われており未だ正確なことは分かっていません。

ザガーロの効果

臨床試験では服用者の一部に発毛効果が認められたとされていますが、基本的には髪の脱毛(抜け毛)を抑制する目的で処方されます。

ザガーロの仕組み

5α-還元酵素Ⅱ型と5α-還元酵素Ⅰ型がアンドロゲン受容体(レセプター)と結合を阻害することで、ヘアサイクル(毛周期)を正常化します。この事によりに髪が本来の寿命(4年~5年)に戻り、抜け毛を減らし、髪を太くコシのある状態まで成長させることが可能になります。なおAGAの仕組みやメカニズム及び5α-還元酵素Ⅱ型と5α-還元酵素Ⅰ型の違いは下記ページを参考にしてください。

AGA(男性型脱毛症)とは?症状や仕組み原因を解説

ザガーロの副作用

発生頻度が1%以上の副作用として「性欲減退」「勃起不全」「射精障害」「腹痛」が認められています。

ザガーロの副作用

このデータから考察すると、基本的にはプロペシア(フィナステリド)と同程度の副作用と考えられるため、あまり気にし過ぎる必要はないでしょう。たた、プロペシア(フィナステリド)は10年間以上AGA治療薬として市場に出回っていますが、ザガーロは未だ2年ほどの新薬で市場に出回った後のデータがあまり無いというのが実情です。

ザガーロの飲み方(タイミング)

プロペシア(フィナステリド)と同様に日1回、決まった時間に服用します。薬の半減期は成人で約6時間程度とされており、約24時間で体内で代謝され消滅するため、毎日定量を服用する必要があります。

ザガーロの注意点

プロペシア(フィナステリド)と同様にこの薬には妊婦又は妊娠している可能性のある女性の服用は一切認められておりません。また、授乳中の女性の禁止も服用されています。男子胎児の生殖器官等の正常発育に影響を及ぼす新生児奇形の可能性があります。女性の妊娠は直ぐに分かる訳ではないので、原則的に女性は服用だけでなく、触れること自体も避けた方が良いでしょう。

また、肝機能障害など薬の代謝に問題がある場合にも内服が禁じられています。なお、服用中の方の血液の輸血は禁じられている為、献血などはしないようにしましょう。

ザガーロの平均市場価格

健康保険が適用されないため、1ヶ月分(30錠)で平均的10,000円前後で処方を受けることが可能です。1日約330円程度のコストがかかります。

ザガーロ(デュタステリド)のジェネリック一覧

ザガーロは未だ国内の特許が切れていないため、デュタステリドのジェネリック医薬品のみが発売されています。

フィナステリドのジェネリック医薬品(海外)

  • アボダート
  • デュタス
  • デュプロスト
  • ベルトリド
  • デュタボルブ
  • デュタプロス
ワンポイント

日本皮膚科学会の男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインの中でも、プロペシア(フィナステリド)と同様に最も推奨度の高い[A]ランクの治療薬とされていることからも最も重要なAGA治療薬といえるでしょう。ただ、価格に関してはザガーロが月にするとプロペシア(フィナステリド)よりも3,000程度割高で、歴史の浅い新薬である点は頭の片隅に置いておきましょう。また、基本的に発毛をする薬ではなく、抜け毛を抑制してAGAの進行を留める薬として覚えておきましょう。

■内服薬:ミノキシジル

皮膚科などでは処方が受けられませんが、一部のAGA専門クリニックで処方を受けることができます。なお、ミノキシジル内服薬が日本の厚生労働省が認可をしていない未認可薬であるため、国内の製薬会社では製造していません。しかし、医師などの医療従事者は自己の責任も元で医薬品等の輸入が認められていることから、ミノキシジルの内服薬が国内でも手に入るようになりました。

なお、ミノキシジルの外用薬として有名なリアップがありますが、外用薬を内服している訳では一切ありません。有効成分を内服薬用に加工した別物ですので混同しないようにしましょう。

ミノキシジルの効果

主に髪の毛を生やす為の発毛薬として用いられています。逆にプロペシアやザガーロの様な抜け毛抑制の効果はありません。

ミノキシジルの仕組み

もともと血管拡張薬として開発された成分で、頭皮の血行及び髪の毛の成長因子の促進、毛乳頭細胞や毛母細胞の活性化が期待されており、顕著な発毛効果があるとされています。しかしながら、それ以上の詳細の仕組みやメカニズムに関しては不明です。

ミノキシジルの副作用

もともと高血圧の経口薬として利用されていたことから、高血圧剤としての「頭痛」「低血圧」「不整脈」などがあげられます。高血圧や血圧に以上が見られる場合や、血圧系の薬を服用している人はミノキシジルの服用をしていないAGAクリニックがほとんどです。また、下記の事例から重篤な副作用の可能性もあります。

「ミノキシジル」は、AGA治療向けの内服薬として開発が行われていた。しかし、イヌを使った動物実験の結果、心臓破裂で死亡した例があり、内服薬としての開発は中止された。

引用:wikipedia:ミノキシジル

しかしながら、初めてAGA治療専門クリニックヘアメディカルがミノキシジル内服薬処方を開始してから10年近くたち、その他多くのAGAクリニックもミノキシジル内服薬での治療を実施しているが、厚生労働省に大きな事故の報告は未だ入っていない。恐らくと高血圧の経口薬としてのミノキシジルよりもAGA治療薬としてのミノキシジルが極めて濃度が低く処方されていることがその理由である可能性も考えられます。

ミノキシジルの飲み方(タイミング)

各病院が処方しているミノキシジル濃度にもよりますが、一般的にはプロペシア(フィナステリド)と同様に日1回、決まった時間に服用します。

ミノキシジルの注意点

ミノキシジルは発毛を促す薬なので、服用から1ヶ月を目安に抜け毛の量が一時的に増えます。これは休止期に入っている髪の毛根が、次の髪を早く生やすために髪を抜いてしまうからです。ただ、1ヶ月もすると抜け毛が落ち着きます。

ミノキシジルの平均市場価格

健康保険が適用されないため、1ヶ月分(30錠)で平均的15,000円前後で処方を受けることが可能です。1日約500円程度のコストがかかります。

ミノキシジル内服薬のジェネリック一覧

日本ではミノキシジルの内服薬は認可されていないのでジェネリック医薬品はありません。

ワンポイント

日本皮膚科学会の男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインの中では、推奨度の低い[D]ランクの治療薬とされており使用は推奨されていません。

しかし、発毛効果の評価ではなく臨床の有無や副作用などの観点からその評価を大きく落としています。ただ、その発毛効果は非常にたかく、現在のほとんどのAGA治療クリニックではAGA内服薬としてミノキシジル内服薬を処方しており、その発毛効果の高さは折り紙つきです。

■内服薬:AGAクリニックオリジナル治療薬

これはクリニックごとにより詳細は異なりますが、9割以上はフィナステリドとミノキシジルをクリニックが個別に調合して患者に処方をしています。しかしながら、有効性分に関しては現状AGA治療において「フィナステリド」や「ミノキシジル」の2つしかないので、大きく効果に差異が出ることはありません。

なお、病院によってはビタミンやミネラルなども調合して、より薬を吸収しやすい様にカスタマイズしているケースもあります。

まとめ

クリニックで処方されるAGA治療薬をまとめましたが、いかがでしたでしょうか。一般的にはプロペシアは多少知名度がありますが、その他にもAGA治療薬は沢山あります。特に抜け毛やを抑制してAGAの進行を抑制する「プロペシア(フィナステリド)」「ザガーロ(デュタステリド)」の何れかと、発毛を促す「ミノキシジル」の2種を同時に服用するのが現在のAGAクリニックのスタンダードになっています。その為、治療費用も2万~3万と決して安い値段ではありません。

しかしながら、この2つで必ずAGA治療をしなければいけないという訳ではありません。あくまでもAGA治療薬の選択権は自分にありますので、副作用の懸念があるのであれば医師にしっかりとそれを伝え、説明をしっかりと聞いた上で服用するか否かは判断するべきです。

なお、これらのAGA治療薬の個人輸入は絶対におすすめしません。何故なら、個人輸入は偽薬の可能性もあり、自分に最適な薬の濃度も分からないからです。そして、最悪命に係わる事態になっても、医師から薬を処方されている訳ではないので、誰も責任を負ってくれません。個人輸入における事故は全て自己責任です。

AGA治療薬は必ず病院に足を運び、医師指導のもとで服用してください。

本記事の寄稿者情報

鈴木亮輔
31歳独身。趣味はPCの自作と猫カフェ巡り。新宿のIT会社に勤務するサラリーマンです。20代中盤から徐々に抜け毛が増えて薄毛(M字部分)になり始め、長年に渡り自身で育毛剤を自作するなどの抜け毛や薄毛の改善方法を模索した実体験や、AGAクリニックの通院体験を活かして記事の執筆をしています。薄毛に悩む人は一人でも減ることを祈って、薄毛や育毛対策に有効となる情報を発信をしていきます。
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