髪の毛の構造を解説。 髪の毛は3層構造で構成されている!

髪の毛の構造を解説。 髪の毛は3層構造で構成されている!

髪の毛は主に3つの層から構成されています。3つの層の特徴を知ることで、正しいヘアケアの方法を実践することができます。
今回は髪の毛の3層構造について各層の特徴を解説致します。

髪の毛を構成する3つの層とは

髪の毛一本一本は手巻き寿司をイメージすると分かりやすいと思います。
手巻き寿司は、中心部に具がありその周りを酢飯が包んでいます。そしてその酢飯のさらに外側を海苔が包み、手巻き寿司として成り立っています。
髪の毛も同じような構造で、中心部分が毛髄質(メデュラ)、その周りを覆う毛皮質(コルテックス)、一番外側の表面を覆う毛小皮(キューティクル)の3層で構成されています。

髪の毛を構成する各層の特徴と役目とは

毛髄質(メデュラ)、毛皮質(コルテックス)、毛小皮(キューティクル)の3つの層についてそれぞれの特徴と髪の毛を構成する上での役割を解説していきます。

毛髄質(メデュラ)

毛髄質(メデュラ)を解説した図

この層は一番中心に位置しており、アミノ酸(グルタミン酸)と金属を含む非ケラチンタンパク質から成り立っています。
立方体型の細胞がハチの巣状に並んでいるような形状をしていて、外的刺激で空洞になりやすいという特徴があります。

毛髄質(メデュラ)は年齢とともに太くなる反面、強度が落ちてしまう特徴から髪の毛の弾力や強度に関係しているのではないかと言われていますが、まだまだ判明していない部分も多いのが実情です。

毛皮質(コルテックス)

毛皮質(コルテックス)を解説した図

毛皮質(コルテックス)は毛髄質(メデュラ)と毛小皮(キューティクル)の間に位置している層で、髪の毛全体の80~90%占めています。
この毛皮質(コルテックス)は、繊維状のケラチンタンパク質からできています。
弾力性があり、この毛皮質(コルテックス)の状態で髪の太さや硬さなどの性質が決定されます。
また、この毛皮質(コルテックス)には髪の色に関係するメラニン色素も含んでいます。

マクロフィブリルを解説した図

毛皮質(コルテックス)をさらに詳しくみてみると、1つ1つの細胞は数個~数十個のマクロフィブリルとマトリックスタンパク質から成り立っています。
マクロフィブリルとは、硬い繊維状のケラチンというタンパク質のことです。
さらにマクロフィブリルとマクロフィブリルの間は間充物質で埋まっていて髪の弾力やツヤと関係している重要な物質です。

間充物質は大きく、①マクロフィブリル内のマトリックスと②毛皮質(コルテックス)細胞内のマクロフィブリル同市の隙間を埋める非ケラチンタンパク質の2つに分類分けすることができます。間充物質は紫外線や間違ったヘアケアで流出しやすい物質です。
また、パーマやカラー剤と反応しやすいという特徴があります。

毛小皮(キューティクル)

毛小皮(キューティクル)を解説した図

キューティクルを解説した図

毛小皮(キューティクル)は髪の毛の一番その側の層で、内側の層を外的刺激から保護する役割を果たしていて、手触りやツヤに大きく関係しています。
毛小皮(キューティクル)は硬いタンパク質を主成分としていて、半透明のうろこ状のものが毛根から毛先に向かって4~10枚程重なっています。

キューティクル一枚一枚の構造を解説した図

さらに毛小皮(キューティクル)の薄いうろこ状の一枚一枚は8つの層で構成されています。

  1. upper-β層
  2. エピキューティクル
  3. A-層
  4. エキソキューティクル
  5. エンドキューティクル
  6. inner-層
  7. lower-β層
  8. δ(デルタ)層

ただし、毛小皮(キューティクル)なのは②~⑥の層で、①・⑦・⑧の層はキューティクル同士を繋げているCMC(細胞膜複合体)という物質から成り立っています。

毛小皮(キューティクル)は一度剥がれて壊れてしまうと、元に戻ることはありません。

CMC(細胞膜複合体)

CMC(細胞膜複合体)を解説した図

キューティクルの薄いうろこ状の一枚一枚間に存在するCMC(細胞膜複合体)は、キューティクル層の間を繋ぎとめる以外にも、毛皮質(コルテックス)同士を接着して繋ぎとめる働きや毛皮質(コルテックス)と毛小皮(キューティクル)の間を接着して繋ぎとめる働きがあります。

MEA (18-メチルエイコサン酸)

毛小皮(キューティクル)のさらに外側の表面にはMEA (18-メチルエイコサン酸)と呼ばれる皮質が覆っています。
MEA (18-メチルエイコサン酸)自体は髪の毛の構成のうち1%未満とごくわずかです。
MEA (18-メチルエイコサン酸)は紫外線やヘアカラー・パーマ剤で失われやすいのが特徴で、一度のヘアカラーで80%が失われると言われています。
また、MEA (18-メチルエイコサン酸)はトリートメントなどのヘアケア剤で髪の毛に定着させ続けることはできない成分です。

まとめ

髪の毛1本1本がどのように構成されているか解説致しました。
髪の毛の構造の知識は、知っていて損はない情報です。
例えば、シャンプーの後髪の毛がきしんでしまうのは一番表面のキューティクル層がめくれて広がってしまい、髪の毛同士が引っかかってしまうことで生じます。
また、ヘアカラーやヘアマニキュアはコルテックスに薬剤を染み込ませて色を付けます。
このように、髪の毛の構造を知ることで毎日のヘアケアに役立てることができるのです。

本記事の寄稿者情報

鈴木亮輔
31歳独身。趣味はPCの自作と猫カフェ巡り。新宿のIT会社に勤務するサラリーマンです。20代中盤から徐々に抜け毛が増えて薄毛(M字部分)になり始め、長年に渡り自身で育毛剤を自作するなどの抜け毛や薄毛の改善方法を模索した実体験や、AGAクリニックの通院体験を活かして記事の執筆をしています。薄毛に悩む人は一人でも減ることを祈って、薄毛や育毛対策に有効となる情報を発信をしていきます。
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