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カニの甲羅に発毛成分?キトサン化キチンナノファイバーの発毛効果に迫る

カニの甲羅に発毛成分?キトサン化キチンナノファイバーの発毛効果に迫る

一度食べ始めると話すのを忘れてしまうほど美味しい蟹。
寒くなってくると、焼き蟹にしたり鍋に入れたりと様々な調理法で食べる方も多いかと思います。鳥取大学の伊福伸介准教授の研究グループによる研究結果によると、そんな蟹の殻に含まれる成分には発毛の効果があるという気になるニュースを発見したので調査いたしました。

蟹の殻に着目した発端とは

研究が行われた鳥取大学のある鳥取県は、ズワイガニの漁獲量と全国シェアが全国2位です。
また、全国県庁所在地および政令指定都市の蟹の消費量を比較すると、鳥取市の一人当たりの消費量は全国第1位で全国平均の6倍と、全国的に見ても鳥取県は蟹の消費量が多い県です。
つまり、これだけ蟹を消費する鳥取県は大量の廃殻が発生すると考えられ、その廃殻に着目し、有効活用できないかと考えたのが鳥取大学の研究チームです。
http://www.pref.tottori.lg.jp/secure/916478/suisan.pdf

蟹の殻から抽出されるキチンとは

キチンは蟹やエビ、昆虫の外皮、あるいはキノコを含む菌類の細胞壁の主成分です。
つまり、これらの生物は骨格を支える構造材としてキチンを製造し利用しています。
蟹の殻に含まれるキチンの含有量は生息する環境や部位によって異なります。
例えばハサミの部分や深海に生息する蟹は、強度が必要になるのでその分キチンの量も増え、およそ20~30%のキチンが含まれているとされています。

キチンナノファイバーとは

キチンナノファイバーの構造

キチンナノファイバーの電子顕微鏡写真
鳥取大学大学院工学研究科

キチンナノファイバーとは、蟹の硬い殻の主成分であるキチンから精製した素材です。
キチンファイバーは2つの工程で精製することが出来ます。
まず初めに、蟹殻に含まれる炭酸カルシウムとタンパク質をそれぞれ、酸による中和反応およびアルカリによる可溶化によって取り除かれます。蟹に含まれるタンパク質はアレルギーの原因になりうる物質ですが、徐タンパク処理を繰り返すことで検出限界以下まで取り除くことが出来ます。
次に、精製したキチンを粉砕装置に通すことで完成します。
単離されたチキンナノファイバーは、幅10nmと極めて細く、ネットワーク状の構造をしています。
キチンナノファイバーは、水に対して高い分散性があるという特徴があります。
この特徴からほかの基材との混合や塗布,用途に応じた成形が可能だと考えられます。
キトサンナノファイバーの表面をプラスに帯電するようにさらに加工を加えたものが新素材のキトサン化キチンナノファイバーです。

キトサン化キチンナノファイバーの発毛効果とは

キチンナノファイバーには皮膚の健康を増進することを明らかにしていますが、発毛効果も期待できるという実験結果について解説していきます。

キトサン化キチンナノファイバーの発毛効果に関する実験結果

鳥取大学の伊福伸介准教授の研究グループによると、毛髪や毛根がマイナスに帯電することが多いため、プラスに帯電したキチンナノファイバーが毛根に浸透して発毛を促す可能性があるとしています。
キトサン化キチンナノファイバーの発毛効果実験のグラフ
日本経済新聞

マウスの背中の毛を剃った場所(約9㎠)に
① 1%濃度のキチンナノファイバー
② 1%濃度キトサン化キチンナノファイバー
③ 1%ミノキシジル溶液
をそれぞれ塗布しました。

12日間で6回塗った後それぞれの比較をしてみると、③のミノキシジルを塗ったグループは剃った面積の14%で発毛を確認できたが、②のキトサン化キチンナノファイバーグループでは27%で発毛したとう実験結果を発表しています。

また、生えた毛の長さも、③のミノキシジルグループは平均1.7mmだったのに対し、②のキトサン化キチンナノファイバーグループは平均3.4mmと、毛の伸長も促進させる効果があるという結果になっています。

マウスでは発毛効果が確認できたとのことですが、これって人の場合も同じように効果があるんですかね??
培養した人の毛乳頭細胞を使った実験結果もあるのでご紹介します。

ヒトの毛乳頭細胞を用いたキトサン化キチンナノファイバーの発毛効果に関する実験結果

細胞周囲の血管を作る血管内皮増殖細胞が、ミノキシジル濃度0.06%の溶液では425ピコ(ピコは1兆分の1)グラムだった。
一方、キトサン化キチンナノファイバー0.01%濃度では429ピコグラム、0.1%濃度では448ピコグラムに増加するという結果になりました。
この事からキトサン化キチンナノファイバーには、血管新生作用があり、毛包への血流を促進させることで発毛効果が期待できると考えられます。

さらに、毛母細胞の分化・増殖に関与するFRF-7(ケラチノサイト成長因子)もキトサン化キチンナノファイバーの方がミノキシジルよりも高い産出量があるということが分かりました。毛母細胞が活性化されることで、発毛が促進されると期待できます。

ただ、これはあくまで培養したヒトの毛乳頭細胞を用いた実験結果に過ぎず、人体でどれだけの効果を発揮するかは不明です。

まとめ

研究グループは、マウスの体毛と類似した毛周期をもつ人の頭皮の毛根でも同様の効果を生む可能性があるとして、育毛剤の開発にも着手するとしています。
鳥取大学の伊福准教授は、資源が確保しやすい鳥取県で発毛剤の開発製品化が展開できると話しています。
もしかしたら、蟹の殻由来成分の育毛剤が発売される日が来るかもしれませんね。

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