
牡蠣は、カキフライだけでなく鍋やグラタンの具にしても美味しい食材です。そんな牡蠣には育毛に効果的な成分を含んでいるとのことで調査しました。
目次
牡蠣とは?
牡蠣は、ウグイスガイ目イタボガキ科に属する二枚貝の総称、あるいはカキ目もしくはカキ上科に属する種の総称を指します。名前は海の岩から「かきおとす」ことから「カキ」と呼ぶようになったと言われています。食用としてはマガキ、イワガキなどの種類があります。
日本ではマガキが最も一般的で、広島県、宮城県、岡山県産が有名ですが、韓国からの輸入品も相当量あるようです。マガキは冬が旬なのに対してイワガキは夏が旬の牡蠣となります。
牡蠣を食べ始めた歴史
食材としての牡蠣の歴史は古く、日本では縄文時代から食用とされています。多くの貝塚から殻が発見されており、ハマグリに次いで多く食べられていたと考えられています。
室町時代には既に牡蠣の養殖も始まっています。
日本人が牡蠣を生で食べるようになったのは、欧米の食文化が流入した明治時代以降です。ヨーロッパでは古代ローマ時代から牡蠣が食用とされ、また養殖もされており、一般的に肉や魚介の生食を嫌う欧米食文化圏において、カキは例外的に生食文化が発達した食材です。
牡蠣に含まれる栄養素は?
牡蠣は、低脂肪タンパク質の食材で、アミノ酸18種類、ビタミンA、ビタミンB1,ビタミンB2,ビタミンC、亜鉛、鉄分、カルシウム、グリコーゲン(ブドウ糖)タウリンなどの栄養がバランスよく豊富に含まれています。そのため、「海のミルク」や「海の完全食品」と呼ばれています。
牡蠣に含まれる薄毛対策や育毛に効果的な成分とは?
牡蠣には育毛や頭皮環境のサポートに関わる成分が豊富に含まれています。
亜鉛
牡蠣に含まれる亜鉛の含有量は、あらゆる食品のなかでも最高値といえます。亜鉛は、髪の毛を作る行程でかかせない成分のひとつです。髪の毛はケラチンというタンパク質からできています。ケラチンを生成するには、亜鉛は欠かすことのできない成分です。
また、亜鉛は細胞の新陳代謝を促進させたり、皮膚や髪に潤いを与えたり、体内の100種類以上の酵素を活性化させたりするなど、身体の活力を保つ上で重要な役割を担っています。
グリコーゲン
グリコーゲンは肝機能を高めてくれて筋肉や脳の働きを活発にします。また、即効性の疲労回復効果があるとされています。筋肉や脳の働きが活発になることで、代謝が上がり、心身のストレス解消効果、老廃物の排出などの効果があります。
鉄
牡蠣は、吸収率の高いヘム鉄と呼ばれる鉄分を多く含みます。鉄分は、血液のもとになります。血液の材料となる鉄分を多くとることで、血行促進につながります。また、体温を維持する働きもあるので冷え性にも効果のある成分です。また育毛において頭皮への血流量は非常に重要なポイントです。
アミノ酸
髪の毛の成分であるケラチンは、アミノ酸で構成されています。牡蠣には豊富なアミノ酸が含まれており、毛髪を形成する材料になります。さらに牡蠣には亜鉛が含まれているのでアミノ酸と亜鉛が合成し、ケラチンを作りやすくなります。
タウリン
アミノ酸の一種であるタウリンも育毛に効果のある成分とされています。タウリンには血行を促進するし、血管を柔軟にする働きがあると言われています。血行が良くなることによって頭皮の隅々まで酸素と栄養が運ばれ育毛環境を体内からサポートします。また、非酸化効果もあり、細胞の老化や劣化を抑えます。
リジン
L-リジンもタウリン同様、体内では生成する事のできない必須アミノ酸の一種で、コラーゲンの生成を促進する事で髪の毛にしなやかさを与える効果を発揮します。また、L-リジンには多くの育毛剤に含まれているミノキシジルやフィナステリド(プロペシア)といった成分の作用を高める力があると言われています。
育毛や頭皮環境を整える成分を豊富に含む牡蠣は、育毛サポート食材と言うことができます。
特に牡蠣に多く含まれる、亜鉛の摂取量の目安はどれくらいか?
亜鉛の1日の必要摂取量は、男性で12mgと言われています。
これは牡蠣の5~6個に相当します。また成人男性の亜鉛の平均摂取量は8.8mgと言われていて、約4mgほど足りていない現状です。ただし、8.8mgくらいの量を摂っていれば亜鉛欠乏症になるリスクは低いです。薄毛改善を目的に亜鉛を摂取している場合は、1日の必要摂取量12mgを上回る20mg~30mgほどの量を目安に摂ることが必要と言われています。
ただし、亜鉛の過剰摂取は体に害を及ぼします。成人男性であれば、40~45mgが1日の亜鉛の上限量と定められています。牡蠣の食べ放題に行って大量に食べてしまったり、サプリメントを飲み過ぎてしまったりすると簡単に超えてしまうので注意が必要です。
牡蠣の育毛に効果的な食べ方とは?
ビタミンCやクエン酸は、亜鉛の吸収率を3割くらい増やすとも言われています。牡蠣を食べる際、レモンなどを絞って食べることで亜鉛の吸収率を高めます。
また、牡蠣は生で食べるよりも、加熱した方が亜鉛の量が増加します。ノロウイルスにあたる危険性を下げる面でも、加熱してから食べることをオススメします。