サイトカインの薄毛改善効果とは

サイトカインの薄毛改善効果とは

なかなか聞き慣れない物質であるサイトカイン。この物質は育毛や薄毛とどんな関係があるのか?調査しました。

サイトカインとは?

サイトカイン

サイトカインとは免疫に関与する低分子の特定のタンパク質の総称を指します。サイトカインには免疫や炎症に関与する物質が多く、主な働きとして細胞間の情報伝達を担っています。さらに、細胞同士の相互作用や、細胞間における情報の伝達と交換、細胞動態にも影響を与えており、細胞の生存や正常維持に欠かせない物質です。

サイトカインにはどんな種類のものがあるのか?

サイトカインの種類
サイトカインにはインターロイキン(IL)インターフェロン(IFN)細胞壊死因子(TNF)をはじめとした多様な種類があり、現在までに数百種類発見されています。

これらのサイトカインは、シグナルの伝達等の細胞レベルでの働きや、炎症や免疫、生体の防御への関与といった機能的側面からの分類と、構造的な特長によって分類分けされます。

AGAのメカニズムとサイトカイン

AGAのメカニズム
髪の毛は1本1本に寿命があり、ある一定のサイクルである毛周期にしたがって、成長しては抜け落ち、同じ毛根からまた新しい髪が生えてくるというサイクルを繰り返します。

正常なヘアサイクルが保たれれば、薄毛になることはありませんが、このサイクルはDHT(ジヒドロテストステロン)という物質によって乱され、薄毛を引き起こされてしまいます。

DHT(ジヒドロテストステロン)とは?

DHT(ジヒドロテストステロン)

DHT(ジヒドロテストステロンとは、男性ホルモンの一種で、本来は男子の胎児期に外性器の発達を促す重要なホルモンです。思春期を過ぎるとAGAだけでなく、ニキビや前立腺肥大の症状を引き起こす原因になります。これは、男性ホルモンであるテストステロンが、5αリダクターゼという酵素の働きによって変化したもので、このDHT(ジヒドロテストステロン)が毛乳頭細胞に存在する男性ホルモン受容体(レセプター)と結びつくと、髪の毛の正常なサイクルを狂わせてしまいます。

通常、生えた髪の毛は2年~6年は維持されるはずなのですが、DHT(ジヒドロテストステロン)が標的器官である前頭部と頭頂部の髪の毛の毛乳頭細胞にある男性ホルモンレセプターに接続すると脱毛に関するタンパクを生成し、一気に毛髪の寿命を縮め、数ヶ月から1年で成長が止まってしまいます。

アルファーリダクターゼにはタイプⅠとタイプⅡの二種類が存在し、それぞれⅠ型DHTとⅡ型DHTを生成します。

頭のどこに5αリダクターゼが存在しているか?AGAが出現する前頭部と頭頂部にはタイプⅡの5αリダクターゼが主に存在し、AGAが出現しにくい後頭部と側頭部にはタイプⅠが多く存在しています。

サイトカインの一種であるTGF-β1の脱毛作用とは?

TGF-β1の脱毛作用
脱毛に関するタンパク質の代表にTGF-β1が考えられています。TGF-β1は細胞の働きを調節する内因性生理活性タンパク質で、サイトカインの一種でもあります。

これは、毛包細胞に存在するTGF-β1レセプターに結合すると毛包細胞の細胞自然死(アポトーシス)が起こり、毛周期が退行期へと誘導されてしまいます。

サイトカインは毛髪育成の退行期を誘導する働きがあり正常なヘアサイクルを乱してしまいます。つまり、このサイトカインの放出を遮断することが育毛に繋がると言えます。

AGAに対してのサイトカイン療法とは?

AGAに対してのサイトカイン療法
サイトカインに作用する薬を使用した、サイトカイン治療法というものがあります。

サイトカイン治療法とは、サイトカインに作用する薬剤を経口投与したり、外用薬として塗布したりすることで、髪の発毛に必要な成長因子である細胞増生因子が生成され、発毛・育毛効果を促すという治療法です。

つまり、薬剤によって刺激されたサイトカインは、機能回復や活性を上げるための増殖因子群を放出し、毛乳頭や毛幹・毛包を元の状態に戻すような作用を発揮するというものです。

まとめ

サイトカインの制御をメインとする治療方法もあるようです。いろいろな治療法に対する知識を身につけておけば、自分に合った治療法を見つけるのに役立つと言えます。

本記事の寄稿者情報

鈴木亮輔
31歳独身。趣味はPCの自作と猫カフェ巡り。新宿のIT会社に勤務するサラリーマンです。20代中盤から徐々に抜け毛が増えて薄毛(M字部分)になり始め、長年に渡り自身で育毛剤を自作するなどの抜け毛や薄毛の改善方法を模索した実体験や、AGAクリニックの通院体験を活かして記事の執筆をしています。薄毛に悩む人は一人でも減ることを祈って、薄毛や育毛対策に有効となる情報を発信をしていきます。
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