
アフリカ原産の植物“トウゴマ”からとれるひまし油には育毛効果があるということで、オイルの特徴や使い方と共にご紹介します。
目次
育毛・薄毛対策に有効なひまし油とはどんな油なのか?
ひまし油とは、アフリカ原産の植物「トウゴマ」から抽出したオイルで、別名カスターオイル、またはキャスターオイルなどと呼ばれています。
トウゴマの種子には40~60%の油分が含まれていて、それを抽出したものがひまし油になります。
ひまし油は粘性が強く、潤滑性があるのが特徴で、工業用の油として使用された最初の植物油だと言われています。
ひまし油を精製するときに搾った残りからは毒性の強いリシンが含まれていますが、身体に使用できる市販のひまし油にはリシンなどの不純物は取り除かれています。
育毛・薄毛対策に有効!ひまし油の効果とは?
ひまし油はエンジンオイルやインク、下剤などに使用されてきた油です。
それだけ聞くと使用をためらってしまうかもしれませんが、肌に合うのを確認し、適切に使用すると驚くべき育毛効果があります。
頭皮・毛髪の不純物除去効果
ひまし油には汚れを綺麗に取り去る効果があるため、髪についた汚れや頭皮の毛穴に詰まった汚れを除去することができます。
その結果、頭皮が清潔な状態が維持することができ、髪の毛の健やかな成長をサポートします。また、臭いの原因となる細菌や汚れを除去出来るので、頭の嫌な臭いの防止にも繋がります。
頭皮のデトックス効果
人間は生活している中で排気ガス・整髪料・ほこりやごみなどの汚れが付着します。
また、シャンプーやヘアトニック、整髪料の使用によっても不純物が付着してしまいます。不純物や汚れが頭皮や髪の毛に付着したままにしておくと、頭皮トラブルを引き起こす原因になる恐れがあります。
ひまし油にはこれらを取り去ってくれる効果があるとされていて、頭皮を清潔な状態に保つことができます。
皮膚の炎症の予防
ひまし油には毛包の炎症を抑える効果があります。細菌の一種であるブドウ球菌が、毛根を包み込む組織である毛包に入り込むことによって起こる炎症を毛嚢(のう)炎と言います。
頭皮にこの毛嚢(のう)炎できてしまうと、痒みにより頭皮を掻いてしまうことによって傷ができてしまい、そこから薄毛や抜け毛が増えてしまう恐れがあります。
頭皮のPHバランスを整える効果
ひまし油に含まれているリシノール酸が化学的ヘアケア製品やパーマ液、ヘアカラー剤の使用ででアルカリ性に偏った頭皮を弱酸性に戻し、PHバランスを整える役割があるとされています。
PHバランスが整うと、髪に栄養を行き届かせることができ、毛髪の健康的な成長をサポートすることができます。
ひまし油を構成している脂肪酸の割合とは?
ひまし油は以下のような脂肪酸で構成されています。
- リシノール酸 80~90%
- リノール酸 4.1~5.2%
- リノレン酸 0.5~0.9%
- パルミチン酸 0.8~1.1%
- ステアリン酸 0.7~1.0%
- アラキン酸 0.3~0.8%
- オレイン酸 2~4.1%
- その他 0.3~1.1%
ひまし油に含まれている脂肪酸の構成を見ると、リシノール酸の含有量が非常に高いことが分かります。これほど多くのリシノール酸を含む植物オイルは他になく、これがひまし油の最大の特徴と言っても過言ではありません。
このリシノール酸は鎮痛や抗炎症に効果を発揮します。
ひまし油が使われてきた歴史とは?
ひまし油は紀元前4000年前の古代エジプトの墓からも発見されるほど歴史が古く、当時の医師たちはひまし油を、目を刺激から守る薬として使用してきたと言われています。
また、ひまし油はランプの芯を燃やすオイルとしても使用されてきました。その後、1860年代頃からはひまし油を40%ほどアルコールで希釈し、便秘薬や胸焼けなどの医薬品としての使用が始まりました。
現在、ひまし油の薬への利用は便秘薬や下剤で利用されています。外部湿布用としては、パックや湿布薬によく使われています。
ひまし油はが民間療法で使われるようになった経緯とは?
日本では長らく下剤や潤滑油、革製品のなめしなどに利用されてきました。
ひまし油が民間療法で使われるようになった経緯は諸説ありますが、その1つにケイシー療法で使用されたことが挙げられます。
ケイシー療法とはどんな治療法なのか?
ケイシー療法とは、アメリカの医療家エドガーケイシーによって確立された治療法で、体内毒素の排出をもっとも重視した考えの治療法です。
エドガーケイシーの治療法の中で、ひまし油は毒素排出アイテムとして中心的に扱われてきました。ひまし油を含んだ植物オイルでマッサージをすることにより、血行やリンパの循環が円滑になり、体のデトックスや免疫力の強化が図れると提唱しています。
ケイシー療法は、胆のう炎、排泄不良、てんかん、肝硬変、肝不全、頭痛、虫垂炎、大腸炎といった症例に適用例があります。
育毛・薄毛対策!ひまし油を使ったヘアマスクやり方とは?
頭皮の育毛環境を整えるひまし油を使用したヘアマスクの方法をご紹介いたします。
- シャンプーをする前の髪と頭皮が乾いている状態で、少し少ないかなと感じる程度手のひらに出し、塗りこんでいきます。
塗りこむ前はひまし油を手のひらで人肌まで温めてから使用するとより効果的です。 - 髪の毛と頭皮全体に馴染ませたら、手のひらで頭全体を押しながら円を描くようにマッサージをしていきます。指の腹を使って頭頂部へ向かってマッサージをすることがコツです。
この際、力を入れすぎたり、爪を立てたりすると頭皮は傷つく恐れがあるので注意してください。 - 頭に巻ける大きさのタオルを一度濡らしてからレンジで1~2分加熱すると蒸しタオルが完成します。この蒸しタオルで頭全体を覆い、10分ほど馴染ませます。
タオルは温めすぎると焦げる恐れがあるので、時間に注意して下さい。 - その後タオルをとり、通常通りシャンプーしてひまし油を落とします。
ひまし油は非常に粘性が高いオイルですので頭皮に残らないようにするために、2回くらいシャンプーをしてください。オイルをきちんと落とすことが大切です。
このマッサージは毎日行う必要はありません。使い方の頻度としては週1~2回程度行うことが理想です。
ひまし油を使用する際の注意点とは?
ひまし油を使用する際、以下の点に注意して下さい。
アレルギーの注意
体質によってはアレルギー反応が生じる方もいます。必ず頭皮に使用する前に少量のパッチテストをして下さい。
パッチテストのやり方は、少量のひまし油を肘の内側に塗り、数日様子をみてアレルギー反応の有無で確認することができます。
あぶらの汚れやシミ
ひまし油は粘性が高いオイルなので、衣服や床、壁に付いてしまうと落ちにくくなってしまいます。使用の際はバスルーム等、汚れてもすぐに流せる場所で行うことが望ましいです。
育毛・薄毛対策以外のひまし油の健康効果とは?
ひまし油には育毛・薄毛対策以外にも様々な健康効果があります。
関節痛・関節炎の緩和
ひまし油のもつ抗炎症効果により、関節痛や関節炎を緩和させることができます。これは民間療法として使われてきた使用法です。
ひまし油を染み込ませた柔らかい綿の生地やコットンを患部に貼り、その上からラップでコーティングします。すると有効成分が浸透し、痛みを和らげるとされています。
筋肉痛の緩和
筋肉痛の痛みのある場所にひまし油を少量塗り、マッサージをすることによって筋肉痛が緩和しやすくなります。
疲れ目・ドライアイの改善
ひまし油をまぶたの上からそっと塗ると疲れ目・ドライアイの改善に繋がります。この時、眼球の周りの骨を優しく撫でるようにマッサージするとより効果的です。ひまし油が目の中に入らないように注意して下さい。
傷の消毒・痛み止め効果
ひまし油には優れた抗菌効果・殺菌効果があります。また、ひまし油には抗炎症効果もありので痛みを和らげる効果も発揮します。
下剤効果
ひまし油に含まれるリシノール酸が便通をスムーズにします。この使われ方は世界中でされていて大きな効果が期待できます。ひまし油をジュースやお湯に混ぜて体内のデトックス目的でとして飲む人もいますが、要は下剤になので摂取量には注意が必要です。
育毛・薄毛対策にすぐ欲しい!ひまし油の購入の仕方とは?
ひまし油はアロマオイル専門店や、一部のドラッグストア、ネットで購入することが出来ます。お店によっては取り扱ってないところもあるので事前に問い合わせてみることをオススメします。
最後に
価格も500円程度と安価で、尚且つドラッグストアやネットショップ等で気軽に手に入れることができるひまし油。アレルギーや汚れに気をつけて、日々の頭皮ケアオイルとして取り入れてみてもいいかもしれません。